インディゴが染まらない原因とは?

 

今回は、

・インディゴがうまく染まらない

・色落ちが早い

 

そんなご質問を複数いただきましたので、

その原因について詳しく解説したいと思います。

 

 

【ヘナとインディゴは全く性質が違う】

大前提として、ヘナとインディゴは全く性格の異なる染料です。

 

■ヘナ

・ヘナの葉には”ローソン色素(ローソニア・アルバ)”が含まれる

・この色素はオレンジ色で、髪のタンパク質に吸着し、 
 その後の酸化によって色が濃くなる

・ヘナは塗布するだけで自然と発色が進み、退色もほとんどない

 

■インディゴ

・”インディゴ”は最終的な色の名称

・インディゴブルーに染まる色素を持つ植物は、
 世界で150種以上、細かく分類すると1000種を超えるといわれる

・染毛に使われる代表的な植物は、木蘭・インド藍・ナンバンアイ・
 タイワンコマツナギ・ナンバンコマツナギなど

・近年では、タデ藍や琉球藍の特殊加工品も流通

 

 

【インディゴの染まる仕組み】

インディゴの葉に含まれているのは、

”インジカン(インディカン)”という無色の色素です。

 

このインジカンに水を加えると、

分解してグルコースとインドキシルになります。

このインドキシルが、空気中でゆっくり酸化することで、

インディゴ色へと変化します。

 

ここで重要なのが、

「ゆっくりと酸化させること」です。

 

つまり、急激に酸化させてしまうと、

インディゴ色にはなりません。

 

水分を含んだ状態で、

徐々に空気に触れさせることが大切です。

私はこの工程を「サラシタイム」と呼んでいます。

 

 

【ヘナとインディゴの違いを知る】

・ヘナは塗るだけで染まるが、インディゴは染まり方が全く異なる

・ヘナは色落ちしにくいのに対し、
 インディゴはシャンプーのたびに少しずつ褪色する

 

昔のジーンズは天然インディゴで染められており、

洗うたびに色が落ちていましたよね。

それと同じように、

インディゴはヘナよりも退色しやすいのです。

 

 

【インディゴの染まりが悪い原因とは?】

お待たせいたしました。

ここからがとても重要なポイントです!

 

「二度染めしたのにすぐオレンジ色になった」

「インディゴが全然染まらない」

 

といったトラブルの原因は、

インディゴのペーストの硬さにあります。

 

インディゴは、

「ケチャップ状」でないと染まりません。

 

ヘナのようなペースト状で塗ってはいけないのです。

 

左はペースト状のためNG、右はケチャップ状なのでOKです。

 

 

【正しいインディゴの作り方と塗布方法】

今回は沖縄産の美ら藍(=うるま藍)を使用しています。

 

■作り方のポイント

1.100gのインディゴに対し、約3倍量(300ml)の温湯(50℃)を加える

 

2.大き目の泡だて器や電動ミキサーで混ぜる(小さなマドラーはNG)

 

3.ケチャップ状になるように、温湯で調整する

 

4.塗布直前にもう一度温湯を加えてケチャップ状にする
  (インディゴは2~3分経つと硬くなるため)

 

4.は特に重要なポイントです。

 


 

 

【インディゴはとても繊細】

インディゴは、硬いと染まらないし、

柔らかいと顔周りに垂れてきます。

 

特に夏場は汗も加わって垂れやすくなります。

 

わたしは、

垂れるか垂れないか、ギリギリの柔らかさで

インディゴはしっかり染まると考えています。

 

インディゴは最初、うまく扱えない方が多いです。

ですが、経験を積むことで必ず上手に染められるようになります。

 

 

一緒にがんばりましょう!

 

 

今回もご覧いただきありがとうございました。